早川聞多 著
雪ふる夜のまち。かなたの山なみ。これは蕪村の愛した京の東山の景ではなかったか。開けば左右の手の内におさまるこの懐かしい風景は、中国・日本の水墨画の伝統ではとらえきれない何かを持っている。胡粉散らし、濃墨のたらし込みなど、様ざまな技法を駆使して描きだされたこの小宇宙に、晩年の蕪村が注ぎ込もうとしたものは何だったのか。俳諧と絵画の表現法の分かちがたい関係をも探りつつ、一枚の絵に画家の精神の遍歴をよむ。一枚の絵を徹底的に読み解く新しい美術文化史。
「BOOKデータベース」より
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