価値社会学

セレスタン・ブーグレ 著 ; 河合正道, 河合弘道 共訳

原タイトル: Leçons de la sociologie sur l'evolution des valeurs

「国立国会図書館デジタルコレクション」より

[目次]

  • 標題
  • 目次
  • 譯者序
  • 原著者序
  • 第一章 價値の世界 / 3
  • I 價値哲學の役割。價値の種々相。價値は最も多樣なる週用の可能な普遍的範疇である。價値表と感情の段階
  • II 實在判斷と價値判斷。或る意味に於いて價値判斷は主觀的である
  • III 主觀は何等かの客觀性を享有してゐる
  • IIII 主觀は强壓的な社會的冀望をそれ[ゾレ]に反映してゐる
  • 第二章 價値と實在 / 17
  • I 價値の『投影』てふ事象は如何にして解明し得るか
  • II 價値は滿足の恒久的可能性である。吾々は、或る事物が値した努力、或る事物が效し得る效用の表示され得る方法によつてその事物に一定の價値を賦與する
  • III 一定の事物が吾々の仲間卽ち協力者或は競爭者に對して惹起し得る結果を吾々が思出すならば、此の價値は更に增大される。過去の協力の追憶は將來の一致協同の希望と同樣に價値の投影を容易ならしむ
  • IIII 然も價値判斷が命令的であるならば、それは畢竟價値判斷が集合的であると云ふことである。集合意識換言すれば思想の共有、卽ち一種特別の傾向と綜合の體系なるものは如何にして構成され、又如何に作用するか。群衆、軍隊、國民。或る意味に於いて社會は思想の創造者である
  • V 社會的諸存在は單にそれら固有の生命を伸張することのみを目的とするものではない。それらは亦優越せる生命を可能ならしむる爲めに働く
  • VI 價値と精神生活
  • 第三章 價値と敎育 / 37
  • I 社會は奉仕の交換卽ち力の協同たるに止らず感情の共同でもある
  • II 人種の一致は此の共同を保證するに充分でない
  • III 各世代に入門の仕事が必要である。一方に於いては機械的訓練の不足、他方に於いては所謂知育の不足。社會存在の最大理由を構成する價値の總體を尊重せしめる爲めに、感情の暗示が必要である
  • IIII 此の必要は學校敎育の要求、或は習俗の科學の結論と如何にして一致するか。或る意味に於いて價値進化の硏究は意識の選擇を響導し得る
  • 第四章 價値の分化 / 53
  • I 價値は種々と豐富になる。價値の形成する體系は漸增的獨立性を獲得する。思想及感情に適用された分化の法則
  • II 文化人の精神狀態の特性、文化人は種類を混淆することなく自己を種々の觀點に置くことが出來る。内的調和の探究はこの差異性を排除するものではない。原始人にとつては、凡てのものが凡てのものに『融卽』してをり、諸々の價値判斷と實在判斷との區別がないのは勿論、價値判斷はそれら相互の間に全然區別がなされてゐない
  • III 價値の分化は他方必ずしも階級の分化を意味しない。價値の種々なる範疇を擁護する爲めに構成されてゐる諸集團は相交錯し得る
  • IIII 同一個人が種々なる集團に屬し得る。所謂『社會的錯雜性』は分化の作用を制限する
  • V 人間個人が固有の價値を獲得する
  • 第五章 價値・目的・手段 / 67
  • I 社會學に於いては、或る意味で目的を考察することは正當である
  • II 隨伴現象說に反對して
  • III 價値を目的價値と手段價値とに區別することの可能な場合。轉移の法則。同一價値でも或時は目的と見られ、又或時は手段と見られ得る
  • IIII 同一價値が多くの目的に手段として役立ち得る。『ヘテロゴニー』
  • V 『ボリテリスム』。同一手段が分散の諸力に抵抗する助けともなり得る目的の多樣性。價値の結合
  • 第六章 經濟的價値と觀念的價値 / 83
  • I 經濟的價値も亦意見の問題なりや
  • II 經濟學者の反對。彼等の多くは經濟學が物質的ならぬ、數學的特性を保持するものであると云はうとしてゐる
  • III 古典經濟學の公準。經濟的事項は常に法律的形式を假定してゐる。個人的利益が經濟的活動の唯一の動機ではない。集合的利益。利益に於ける觀念の合體。所謂『生活標準』に及ぼす社會環境の作用
  • IIII 或る意味に於いて經濟的抽象は便利である。良を管理の問題。經濟的價値の世界は、商業と工業の進步そのものによつて特別に構成され而も自治を狙ふ
  • V 然しそれは依然として集合意識の反作用に從ふものである
  • 第七章 宗敎的價値と道德的價値 / 108
  • I 問題の實際的重要性
  • II 道德が起原的に宗敎に由來してをり而も本質的にそれは宗敎に依存してゐると云ふ場合。その解答の雜多性。此の雜多性そのものを如何に說明するか。宗敎の定義。デュルカイムの理論。聖なる力の最初のモデルは、意識の一致から生ずる特殊の力の中にある
  • III 凡ゆる祭儀の究竟的目的は集團の道德的革新である
  • IIII 祭儀の規定は起原的に道德的命令と如何なる關係を有するか
  • V 然し宗敎的信仰とは無關係な道德的本性及び道德的守則さへも存在してゐる
  • VI 宗敎的起原をもたぬ義務が文化と共に增加する
  • VII 權利と義務の世俗化
  • 第八章 價値と科學(一) / 138
  • 實際的技術の起原
  • I 眞理と價値。客觀的存在の意思。知的能力は如何にして形成されるか。實際的技術は卓越した技術から區別される
  • II 技術と科學。咒術=宗敎的信仰の帝國に先行する狀態卽ち、技術的思惟の全く自由であつた處の狀態を假定する必要があるか
  • III 咒術=宗敎的信仰は、技術的事項に於いて單に禁止的權能のみをもつものではなく、それは人間精神に實際的知識を獲得する種々なる機會を與へる
  • IIII 咒術の中間的位置。それは或る意味に於いて科學を準備する
  • V 然し原始的狀態以來、人間は日常の活動の諸經驗に基いて合理的推論をなすことが可能であつたやぅである
  • VI 『實證性』の萠芽
  • 第九章 價値と科學(二) / 156
  • 合理思想の起原
  • I 科學の進步に必要な一般的思想はそれ自體原始的信仰と關係がありはせぬか
  • II デュルカイムの理論。如何にしてデュルカイムの理論はレヴィ・ブリュール氏のそれと對立するか。社會的區分に基いてなされた原始的分類。槪念と守則。如何にして社會學生主義は經驗論の價値を高めるか。社會的環境は造形的仲介者
  • III 科學は或種のしきたり・調和慾等を假定してゐる。然し乍ら論理的規範は實際的規範に還元されるとは決つてゐない。眞理に對する配慮の存する時、人々は採用した手段に對すると同樣、意圖した一致に對しても一種の特種なる支配を行ふ
  • IIII 事物の本性と精神の本性
  • 第十章 科學的進步の社會的條件 / 170
  • I 社會の宗敎的權威が初生的理性の訓練を行ふものとするならば、理性の自由は問題である。卽ちそれは宗敎的傳統の壓力及び國民的傾向の厭力にさへ抵抗することが可能であらねばならない
  • II 集合的なるものと普遍的なるもの
  • III 社會的性質を有する種々なる諸條件は知能の限界を擴大する助けとなる。原始的神秘主義の縮少
  • IIII 集團の相互接觸の增加の影響。國際的生活の趨勢
  • V 古代希獵の事例。希獵人は支配者たる司祭團も吸收的宗敎も知らなかつた。商業と植民の影響は自由探究に好都合である。基督敎と現代科學
  • 第十一章 科學と產業 / 188
  • I 科學の昇騰の理由。『歸納と產業の時代』。唯物論的哲學と歷史的主知主義的哲學
  • II 實際の科學的思考に及ぼす影響、發明の發見に及ぼす影響。然し產業的進步は組織的自治的科學の活動による以外には進捗しない。發見の意外な反響
  • III 公平な科學的文化の必要性
  • 第十二章 科學と道德 / 197
  • I 科學に威信與へる理由の多樣。政治的及び道德的理由。科學と自由の連帶性
  • II 『科學の破產』。科學的精神が混亂と懶惰を惹起すものとすれば、科學的文化は如何なる效果を生ぜしめるか
  • III 數學者の論據。博學者の論據。科學はその高貴な要素の爲めに魂を調和させることが出來る。先在する分解を假定する價値の結合
  • IIII 然らば『眞理への意思』は『社會への意思』を創造するに充分であると云へるか
  • 凡ての主知主義的敎育の不充分。社會的人門は感情の丈化を假定する
  • V 或る意味に於いて此の丈化は理知的である
  • 第十三章 美的價値 / 212
  • I 觀念的價値の創造者として考察されたる藝術。"autotelique"價値を有つ美の形式。純粹藝術もそれ自身分化の所產ではないか
  • II 原始社會に於ける藝術は戰鬪生活・性生活・宗敎生活・經濟生活等凡てに混淆してゐるやうに思へる
  • III 然し美的價値は、藝術が此等の影響から脫するときに初めてそれ自體として評價される
  • IIII 藝術と遊戯。藝術が遊戯に添加する處のもの。『自由意志』『生產力』。材料に作用する活動と社會に作用する活動。技術の部分と感情の部分。感情の加入しなければならぬ美的形式によつて藝術はそれら感情を淨化する。如何にして藝術的作品は結び付けると同時に解放する働きをするか
  • V 或る意味に於いて藝術は道德性を助長する。然し藝術はそれ自身に止まることが必要である。價値の結合は茲にも亦先在する分解を假定してゐる。趣味の文化の必要性
  • 策十四章 國家と道德敎育 / 235
  • I 凡ゆる社會は價値の體系を假定する。集合的利益は信仰の職能中によく現はされてゐる。このことは原始社會に就いてのみならず、本來自由を旨とする現代國家に就いても眞理である。學校の非宗敎化は價値の物質化ではない。現代國家は、又理想への奉仕に身を捧げる
  • II かくして人々は『條件的愛國心』に復歸するか。ボリテリスムは解決を提供する。既に部分的聯合に於いてその聯合員が同一手段を用ひて相異かる目的を狙つてゐるのを見た。更に國家は種々なる理想的目的への指定された手段として現はれてゐる
  • III 此の思想の道德敎育の問題への應田。共同資本。實際的聚約作用。相異なる原理に連絡をりけ得られる效能。非宗敎的學校は如何にして價値の結合並に分化を利用し得るか
  • 參考文献 / 251
  • 人名索引

「国立国会図書館デジタルコレクション」より

この本の情報

書名 価値社会学
著作者等 Bouglé, Célestin Charles Alfred
河合 弘道
河合 正道
セレスタン・ブーグレ
書名ヨミ カチ シャカイガク
書名別名 Leçons de la sociologie sur l'evolution des valeurs
出版元 三笠書房
刊行年月 昭和12
ページ数 261, 12p
大きさ 23cm
NCID BN08942179
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全国書誌番号
47034894
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言語 日本語
原文言語 フランス語
出版国 日本
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