日本における科学の振興と普及の支柱として科学雑誌『自然』があった。それは、一線の研究者が社会に対して発言する場であり、読者が新鮮な科学知識に接する貴重な媒体であった。『自然』編集長として、科学の風土と科学者に真摯なまなざしを注ぎ続けた科学ジャーナリストが、取材活動を通して身近に接した科学者たちのユニークな「個性」を綴る。本書に登場する21人は、戦後の科学を築き、欧米先進諸国に並び過程で、その豊かな個性を最大限に発揮した科学者である。本書は、変革期に生きた科学者の記録であり、日本の科学が自立する過程を探るよすがともなるであろう。
「BOOKデータベース」より