能 : 研究と発見

野上豊一郎 著

[目次]

  • 標題
  • 目次
  • 能の主役一人主義 / 1
  • 一 シテとワキ。ワキは對立者ではない。ワキは見物人の代表者。「田村」、「松風」、「景淸」。
  • 二 能の成形の徑路。散樂。廣義の猿樂。獨演的演戲。曲藝と物眞似。
  • 三 田樂。田樂と猿樂の能藝的對立。猿樂の各派。物眞似と幽立。
  • 四 主役一人主義の見地から見た能の物眞似の本質的表現。「忠度」。
  • 五 能の典型的作品に現はれたる主役一人主義。
  • 六 能の主役一人主義と對比されたるギリシア古典劇。役者の數、合唱部、假面。能が本質的に戲曲でない理由。
  • 子方の舞臺的效果 / 43
  • 一 子方の二種。子方存在の理由。審美的根據。主役一人主義との關係。
  • 二 考察の實例としての「船辨慶」。
  • 三 子方の主役强調。子方と主役一人主義でない能。「安宅」。歌舞伎劇「勸進帳」。
  • 能の戲曲的傾向 / 57
  • 一 ワキの成長の徑路。傍觀的態度。「東北」。
  • 二 ワキの進出。「熊野」「船辨慶」。
  • 三 シテ、ワキ對立の條件。「正尊」「安宅」。
  • 四 ワキの主役侵害。牽制的態度。「接待」。演戲奪取。「張良」「羅生門」。性格的壓迫。「谷行」「壇風」。二元的對立と三元的對立。
  • ワキの戲曲的存在理由。
  • 物狂考 / 79
  • 一 男物狂と女物狂。女物狂偏好の傾向。かつら物尊重。
  • 二 幽玄と番組編制の根據。
  • 三 かつら物と女物狂との對比。服裝、舞。
  • 四 物狂の分類。恩愛の情からの物狂、「櫻川」「百萬」「三井寺」「木賊」。戀慕の情からの物狂、「花筺」「班女」「加茂物狂」「水無月秡」「柏崎」「梅ケ枝」「富士太鼓」「籠太鼓」。主從の情義からの物狂、「雲雀山」「高野物狂」「土車」。憑き物からの物狂、「葵の上」「二人靜」「卒都婆小町」「歌占」。境遇等からの物狂、「弱法師」「彈丸」「玉葛」「浮舟」「三山」。
  • 五 物狂的情緖の解剖。狂亂の一時性的特徵。喜劇的結末。遊狂精神。エクスタシス。
  • 能の遊狂精神 / 121
  • 一 非戲曲的內容と戲曲的外形。主題以外に置かれたる重點。遊狂と幽玄。
  • 二 「安宅」の作意。「義經記」。幸若舞の「笈さがし」。
  • 三 諸役の非戲曲的なる歌詞分擔。「藤戶」、「葵の上」。
  • 四 室町時代の社會思潮と遊狂精神。
  • 序破急の理論 / 139
  • 一 表現の節度を支配する時律。舞樂の序破急と能の序破急。その槪念の通俗的誤解。
  • 二 能の表現の文法。一曲の能の序破急的組織。破の段の重要性。クセ。
  • 三 一曲の中心として考へられた舞。音曲と舞働。藝術的理解の階段。皮肉骨の比喩。「羽衣」と「芭蕉」。言葉以上によく語るもの。
  • 能の位、殊に闌位について / 155
  • 一 內容と形式。能を文學として見るの弊。謠曲非難の辯護。
  • 二 謠曲を戲曲として理解しようとすることの不合理。音曲の諧律的象徵として綴られたる詞章。
  • 三 能を軍なる舞踊として見るの弊。舞踊の種類。舞踊と音樂と歌詞の關係。統一者としての位の意義。
  • 四 幽玄の位と闌位。表現の最も日本的なるもの。陰陽の原理の象徵化。
  • 「翁」と喜劇精神 / 181
  • 一 「翁」の神聖とは何か。形式化された「翁」と原始的な「翁」。
  • 二 「翁式三番」。千歲の異分子的性質。「翁式三番」の原型。父の尉と露拂。翁面と能面との區別。
  • 三 露拂と千歲。千歲の直面。面箱。
  • 四 「翁」の舞の意味。「翁」は立合の一種ではなかつた。今日の「翁」に淺つてゐる原型「翁」の型。
  • 五 原型「翁」の主役は生と平和の讃美者。その歌詞的解釋。三番叟耕作者說。父の尉延命冠者の子孫繁殖祝福。
  • 六 庶民の娛樂から貴顯の賞翫へ。登場人物の神格化。その祭祀的說明。權勢者への奉仕。御前掛の式。「とうとうたらり」の歌の解釋。
  • 七 翁面にのみ殘つてゐる喜劇精神。
  • 伎樂面、舞樂面及び能面 / 223
  • 一 聖德太子の伎樂保護。伎樂以前の外邦樂。伎樂の異邦的特徵。伎樂と隋の九部樂との關係。伎樂の樂器。西涼樂、龜茲樂、及び天竺樂。
  • 二 舞樂の唐樂的色彩。唐の文化の西域化。舞樂と伎樂との懸隔。
  • 三 伎樂面は本質的には日本化されなかつた。伎樂面の種類。伎樂の曲目。
  • 四 伎樂面の特徵。その形狀。ギリシア古典劇の假面との比較。伎樂面の瞬間的表現。伎樂面の寫實主義。金剛、力士、崑崙。伎樂面の骨相的特徵。喜劇的演戲。
  • 五 伎樂面の例外的特徵、非寫實主義。迦樓羅面に見る人格化されたる鳥の圖案。獅子面の圖案化。アッシリアの獅子頭、バビロニアの獅子頭との類似。
  • 六 舞樂面の圖案化主義。舞樂の分類。天竺樂、林邑樂。「拔頭」「胡飮酒」、「陵王」「還城樂」「納蘇利」、「崑崙八仙」。八仙面と迦樓羅面との比較。
  • 七 舞樂面の例外的特徵。寫實主義。笑面、腫面、勸杯、瓶子取、胡德面。喜劇的表現。舞樂曲目の分類法改正案。
  • 八 假面興作の進步。象徵主義への轉向。能面の創作。その表現力と使用上の氣魄。能面の目的理解。
  • 能面創作の心理 / 277
  • 一 感情抑制說の誤謬。節約若しくば省略ではない。緊張と弛緩との對比。「角田川」の例。
  • 二 假面と顏面の比較。顏面表情の無能。單純化されたる顏面としての假面。
  • 三 假面の中間的表現。脣と目の運動に對する假面の創意。
  • 四 能面の種類。神の面、鬼畜怪異の面。瞬間的表現。尉面の寫實。伎樂面及び舞樂面の手法の蹈襲。
  • 五 面打の歷史。能面の完成。中間的表現とその表現蓄積量の增加。女面と男面。能面の自己存在理由自覺。

「国立国会図書館デジタルコレクション」より

この本の情報

書名 能 : 研究と発見
著作者等 野上 豊一郎
書名ヨミ ノウ : ケンキュウ ト ハッケン
出版元 岩波書店
刊行年月 昭和5
ページ数 302p 図版17枚
大きさ 22cm
NCID BN03684291
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全国書誌番号
47015043
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言語 日本語
出版国 日本
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