新太閤記  1

海音寺潮五郎 著

「奇妙な面をしとるわ。猿に似とるわ。チビ猿じゃな」信長は小者志願の色の黒い、かじかんだように小さな若者を見て大笑いした。武士の作法に通じた若者は悪びれず、側用人に答えた。「今川の被官松下嘉兵衛尉が家で士奉公しとりました。父はご先代信秀さまが鉄砲足軽しとりました木下弥右衛門と申します」「名は!」「木下藤吉郎秀吉でございます」「なんじゃとォ!」信長はきびしい目で若者を凝視した。若者はこの時23歳。新しく月代し、柿色の地に輪つなぎ模様を白く抜いた袷に薄縹色の袴をはき、大小を帯びていた。これが、当時どじょう売りの与助と呼ばれた秀吉と信長の出会いであった。

「BOOKデータベース」より

この本の情報

書名 新太閤記
著作者等 海音寺 潮五郎
書名ヨミ シン タイコウキ
シリーズ名 角川文庫
巻冊次 1
出版元 角川書店
刊行年月 1987.7
ページ数 342p
大きさ 15cm
ISBN 4041273153
NCID BN02529078
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全国書誌番号
87048445
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言語 日本語
出版国 日本
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