20世紀初頭のエンターテインメントの都ミュンヘン。庶民のあつまるビヤホールやミュージックホールで、寸劇や一人語りによって、人びとを熱狂させた2人の芸人がいた。戦争や軍国主義を、諷刺のあつい衣につつんで笑いとばした、天才的道化師カール・ヴァレンティン。古きよきバイエルンへの郷愁をうたいあげた、愛国的演歌師ヴァイス・フェルドル。第1次世界大戦、ドイツ革命、ナチスの抬頭…激動の時代を生きた民衆のゆれうごく意識や感情を、2人の人気芸人の演し物のなかに読みとく、刺激的な大衆文化論。
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