模倣の時代  上

板倉聖宣 著

明治以降、日本は欧米の文化を模倣することに奮闘してきた。しかし、幕末から深刻な社会問題となった米食地帯固有の奇病「脚気」についてはお手本がなかった。その予防治療法だけは日本人が自ら創造性を発揮して解明しなければならない最初の、しかも重大な問題であったのだ。さらに近代化の波とともに脚気は学生と軍隊の間で大流行しはじめ、とくに軍医たちを悩ませることになった。しかし、原理はわからなくても治療はできる。明治天皇は洋方医の処方を振り切って麦飯で脚気を克服し、軍隊でも高木兼寛や堀内利国の努力によって食事の改革が行なわれ、一時は脚気の撲滅も間近とさえ思われた。しかし、ドイツ帰りの軍医森林太郎を筆頭とする東大医学部系の医学者たちが、麦飯派に対して大反撃を開始したのである。-創造性とは何か。「小説よりも奇」なる歴史の真相は、創造性がまさに社会組職の問題であることを凄まじい迫力で示す。

「BOOKデータベース」より

[目次]

  • 事のおこり 新しい時代の開幕と脚気問題-明治維新と医学の西洋化(森林太郎の誕生
  • 明治維新と医学
  • 脚気の流行と陸海軍の軍医たち)
  • 第1部 天皇の脚気と、脚気病院における漢洋の脚気相撲-遠田澄庵の野望か、西洋医たちの陰謀か(明治天皇の脚気論-脚気病院の構想
  • 脚気病院の外での脚気研究の盛行
  • 皇子・皇女の養育問題と漢法医の登用)
  • 第2部 高木兼寛の兵食改善による脚気撲滅作戦-陸軍と東大の脚気論と緒方正規の脚気菌発見(天皇の脚気再発と皇子女養育問題
  • 海軍軍医・高木兼寛の登場
  • 高木兼寛の「栄養障害仮説」の成立
  • 高木兼寛、脚気病対策を上奏
  • 陸軍軍医本部次長石黒忠悳の脚気論と東大教授大沢謙二の非麦飯説
  • 緒方正規の脚気菌の発見)
  • 第3部 麦飯による脚気絶滅作戦の成功と軍医本部・東大医学部の対応(陸軍軍医堀内利国の登場
  • 軍陸大阪鎮台における麦飯の採用
  • 天皇の脚気根治と堀内利国の光栄
  • 内部省技師北里柴三郎の登場
  • 森林太郎の脚気論
  • 帝国大学教授三浦守治による滅損療法の採用
  • 榊順次郎の黴米中毒説と森林太郎の脚気統計論)

「BOOKデータベース」より

この本の情報

書名 模倣の時代
著作者等 板倉 聖宣
書名ヨミ モホウ ノ ジダイ
巻冊次
出版元 仮説社
刊行年月 1988.3
版表示 オンデマンド版
ページ数 442p
大きさ 20cm
NCID BB15542052
BN02065705
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全国書誌番号
88028344
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言語 日本語
出版国 日本
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