生命科学の急速な発展によって、今まで明らかでなかった多くの生命現象がつぎつぎと解明されてきた。このことは、生命現象を支えている種々の生理活性物質が、分子レベルで解明されてきたことと密接につながっていることを意味する。とくに、強調したいのはバイオテクノロジーの最近の進歩である。生体における物質生産は、究極において遺伝子レベルで抑制されているが、すでに微生物を使った多くの研究例で明らかにされているように、これを人為的に制御することにも成功している。生合成の研究は、このような分野でも重要な役割を果たしていることが認識されなければならない。本書は、生理活性物質の生合成をわかり易く解説することを目的として執筆したものである。
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