ケンブリッジ大学の数理物理学教授として素粒子論研究の第一線にあった著者は、50歳を境に聖職者への転身を決意する。辞職の報に驚く物理学の同僚から動機の説明を求められ、著者はここにキリスト教信仰への弁明の書を執筆することになる。人智の探究によって得られた知識体系が宇宙解明への鍵を用意するというのは、驚嘆に値する事実である。この事実にどのような意味があり、それは宗教による世界理解とどう関連しているか。著者は、自然科学のフロンティア的領域の宗教的側面を科学者の言葉で記述するとともに、キリスト教の世界観への論理的説明を提示する。
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