古くは、第一次大戦の発端となったサラエヴォ事件、第二次大戦の引き金となったナチス・ドイツのポーランド侵略。戦後においては、1956年のポズナン暴動・ハンガリー動乱、68年のチェコ事件、80年に始まるポーランドの連帯運動等々、20世紀に入ってからの東欧は常に国際政治の焦点であり、繰り返される動乱が人びとの熱い議論の対象となってきた。しかし、多様な民族、文化、言語、宗教を有する東欧の歴史はまことに複雑であり、その統一的理解は極めて困難である。本書は、こうした事情を踏まえながら、現代東欧諸国が抱える様々な問題の起源と特徴を、近代に遡って明らかにしていく。
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