現代社会を生きる私たちは、はたして民主主義を担いうるのか-。産業・通信・交通が発達し、飛躍的に複雑性を増した20世紀。個人が社会の全貌を理解するのは困難になった。必要な知識にもとづき判断を行なう公衆という前提が崩れたなか、デモクラシーは可能なのか。リップマンが『世論』や『幻の公衆』で提起した問いに応答し、デューイは民主主義の可能性を探究する。人々の信念や行為、そして習慣が結びつくことで社会を実験的に変革してゆく、その民主主義像とは?プラグマティズムの代表的思想家が、デモクラシーへの不信が深刻化する今日的課題をも照射する。
「BOOKデータベース」より