すべての子どもに等しく教育機会を与える試みがときに自由を抑圧し、一人ひとりの個性を尊重する教育がときに平等をむしばむ。「平等と自由」という価値を背負わされた学校が、常にこうした難問に突き当たるのはなぜか。問題の起源は、教育機会の拡大により社会の平等化を推し進めようとした、20世紀初頭のアメリカに探ることができる。「大衆教育社会」の進展につれ、学校の担うべき理念が「個人の形成」から「個性の尊重」へと変質したとき、何が起こったのか?アメリカの経験を掘り下げることで、日本の教育が抱える根深い問題を浮き彫りにした、第27回サントリー学芸賞受賞作の増補決定版!
「BOOKデータベース」より