メスを使わないプチ整形の流行、一重まぶたから二重に、シミ・しわの除去、豊胸手術・整鼻手術-人はなぜ美容整形へ向かうのか。「美しい/醜い」「普通/普通でない」「グローバル/ローカル」といった二項対立のせめぎ合いのなかで社会的・文化的に成立する美容整形の価値観に、西アフリカ・韓国・日本でのインタビュー調査などから迫り、「普通になりたい」「きれいになりたい」「秘密にしておきたい」といった多様な声を紹介する。そして、近代以前の社会の通過儀礼としての身体加工と、近・現代社会の「わたしの身体」を絶え間なく改善する志向=再帰性の狭間の実践として美容整形を捉え、そのつどの状況と関係のなかで立ち現れる流動的で相互作用的な身体と自己像について提起する。
「BOOKデータベース」より