本書は、賃金のマクロ経済的な効果、特に最近の傾向がどのように不平等の拡大につながっているかを示している。賃金の上昇と労働生産性の伸びの乖離は拡大し続けており、また高所得者と低所得者の格差も拡大している。さらに労働所得シェアの減少が続いている。これらは総需要の主要な構成要素に憂慮すべき変化をもたらしている。特に消費や投資、純輸出といった回復と成長に必要なものへの影響が懸念されている。この報告書はこのような傾向の原因を、金融と貿易のグローバル化から技術の発展、組合密度の低下といった幅広い範囲について示している。
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