戦前からの同和行政と解放運動の輝かしい歴史を有する京都市。戦後の同和対策事業と部落解放運動の闘争スタイルは、京都市から生まれ、その後全国に普及していった。しかし、部落の実態が改善された80年代以降も、事業は拡大され、同和地区住民への優遇策は継続されていった。「なんで部落だけ優遇されるのか」。「ねたみ」でも「差別意識」でもない不信感が市民の間で募ってきたなか、同和対策事業と解放運動は、本当に差別の解消に寄与してきたのか?巨額の対策事業費は、かえって「部落」を固定し、「部落民」を再生産してきたのではないか?京都市を舞台に、負の現代史に斬り込む不朽の名著が、最新の事情を加えて新たに登場。
「BOOKデータベース」より