前野佳彦 著
都市には、昼の顔と夜の顔がある。都市に生きる直立歩行人にも、昼の歩行と夜の歩行がある。昼の生活圏を歩いた散歩人は、宵闇にまぎれ、"流通"の豊饒なる夜と溶融するとき、事件蒐集家たる"遊歩者"へと変容する。夜の都市は事件‐空間として、その豊饒に陶酔し、「来て‐寄って‐去る」遊歩者の都市的実存の偶有性と共振する。彼が遭遇し判断する"事件"の現象学が、非日常性の歩行に内在する、都市住民の本源的自由を照らし出す。遠大なる記号論的都市文明論-『散歩の文化学』姉妹編。
「BOOKデータベース」より
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