『現代哲学』『理由の空間の現象学』などの著作において、自然主義的な哲学の潮流に抗し、現代における"哲学"の独自な存在意義を主張してきた哲学者の最新論集。本書で著者は、改めて"哲学"とはどのような営みであるのか(第1部)、現在、哲学が取り組むことを求められている課題にどのように答えるか(第2部)を、わかりやすく描き出す。それをうけて、第3部では、著者自らの哲学的立場、"全体論規範主義"の立場を、積極的に提示する。各部の冒頭には議論の要旨を付し、初学者を含む幅広い読者の理解を助けるものとした。ニーチェが予言した「囲い」のうちで逼塞しつつある現代哲学に、そこからの解放の道筋を示す。
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