本書は、貸借対照表の資本(純資産)の部に関する資本会計研究の集成である。戦前の商法から近年の会社法まで、資本制度の変遷と資本会計問題の考察を主として、企業を株主などの利害関係者との係わりにおいてどう見るかという企業観に留意することにより、会計主体を研究するための手懸かりをも意図している。本書第1部では、戦前および戦後の株式プレミアム論争・創業利得論争の多くの論者の見解を整理しつつ、その位置づけを明らかにしていく。また第2部では、1994年・2001年の商法改正や2005年の会社法の創設により、取得規制が緩和されていった自己株式の会計問題を検証している。
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