粘液産生膵腫瘍の概念が次第に整理されてきて、粘液性嚢胞腫瘍と膵管内乳頭粘液性腫瘍の診断、鑑別診断、治療法と予後などが膵臓学のトピックスとなってからもうかなりの時間が経過した。両者の特徴が明らかになる一方、まだまだ明確にしていかなければならない問題があることも次第に認識されるようになっている。本書は、そのような、現時点での問題点を踏まえたうえで、2004年から2005年にかけて作成されたレポートを、作成ワーキンググループの座長を務めた著者が、読みやすく翻訳するとともに、その作成経緯の説明、ガイドラインで使用できなかった画像などを随所に挿入しながら、本邦の研究者、臨床家にわかりやすく解説することを目的とした。
「BOOKデータベース」より