ダムはこれまでさまざまな経済発展に貢献してきた。しかしその一方で、最近の調査・研究からは、ダムが自然を変え、生態系に重大な影響を与えていることがわかってきた。また多くのダムが建設後五〇年以上を経ようとしている現在、その役割は大きく見直され始めている。そうした中で、「ダム撤去」は安全面・経済性からも有力な選択肢として注目されるようになってきた。すでに五〇〇を超えるダム撤去を行なっている米国の専門家がその影響を環境・経済・社会などさまざまな角度から考察し、客観的な情報を提供している本書は、多くの老朽ダムをかかえ今後ダム撤去を真剣に考えなければならない日本の自治体、市民、専門家にとって格好の手引きである。
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