「私たちは、論争相手の意見についてはもちろん、自分自身の意見についてすら、いやと言うほどしょっちゅう、誤解している。」ヴェーバーはこう述べつつ、我々が、「なぜ一致しあえないのか」を認識するために、"価値討議"という実践的な討議像を提唱した。本書は、晩年に結実したその"方法論的合理主義"を精密に検討し直し、その背景にこうした討議像が置かれていたことを明らかにする。それを通して、「合理化=近代化・脱呪術化」と見る文化的バイアスを乗り越える。"合理化"の比較文化・歴史的な方法論としてヴェーバー社会学を再生し、"合理的であること"そのものが人間社会に与える影響について理論的に探究する。
「BOOKデータベース」より