滴や泡は日常生活においても親しみ深いものだが、ちょっとまじめに考えてみると不思議なことが多く、そんな問題が企業の技術開発においても困難として立ちはだかっていたりする。身近な例をあげれば、たいていの人は、車のフロントガラスやメガネやスキーのゴーグルについたしつこい曇りと格闘したことがあるに違いない。本書は、長年にわたって、このように身近でありながら科学技術とも直結した毛管現象や濡れ現象に取り組んできたノーベル賞物理学者ドゥジェンヌ博士らが著した生き生きとした書である。ごく基本的なことからスタートし、最新の実験や工業での現況を例に、基本原理のみならず最先端の豊富な話題についても解説している。また、複雑な数学的取り扱いをできる限り避け、直感的理解と新しい見方をもたらすことに主眼を置いている。
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