さまざまな学問領域で重視されてきている質的研究法を心理学の調査・研究にとりいれるための必携の入門書。質的研究を行う上で踏まえておくべき認識論的基盤を詳細に解説し、グラウンデッド・セオリー、解釈学的現象学、ケース研究、言説心理学、フーコー派言説分析、メモリーワークという6つのアプローチによる研究方法を具体的に紹介する。各章ごとに訳者による解説を加え、日本における研究の現状を概観するとともに、日本語で読める参考文献もあげている。また、巻末の付録には学生による質的方法を用いた研究例を載せ、研究の手順を実践的に知るために最適な資料となっている。研究のプロセスを知への創造的な探求の過程としてとらえなおした本書は、量的研究に飽き足らない研究者・学生に、数字では測れない本質に迫るための第一歩を導いてくれる。
「BOOKデータベース」より