戦乱に明け暮れた近世のヨーロッパ。軍事力の主体となってそれらの戦争を戦ったのは、傭兵であった。彼ら傭兵について、われわれはどの程度知っているだろうか。掠奪などの狼藉に明け暮れて、人々から恐れ蔑まれるだけの存在だったのだろうか。そもそも彼らはどのような社会層から生み出され、軍隊の中でどのような生活をし、農民や都市民とどのような関係をとりもったのだろうか。いまだにその多くが歴史の闇に覆われている傭兵の生活世界に注目し、近世ヨーロッパの軍隊と社会を考えること、それが本書のねらいである。
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