キリスト教の本質は、何と言っても、イエス・キリスト自身である。イエス・キリストは単なる教師ではなく、救いの道そのものである(ヨハネ一四・六)。人間は、創造主と呼ばれる神に至るためにこの道を歩まなければならない。そのためにはイエス・キリストがいかなる存在であるのかを知らなければならない。そこで本書はイエス・キリストを主たるテーマとしている。キリスト教は旧約聖書と新約聖書の両方を正典としているが、イエス・キリストを直接のテーマとしているのは新約聖書だけである。ただし、新約聖書は旧約聖書を基本にしているため、旧約聖書を軽視することはできない。そこで本書でも旧約聖書の基本思想をなるべく紹介した。また初めから聖書そのものを学ぶことに抵抗を感じる人もいるため、第一章では宗教の必要性を概論的に説明している。
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