第1章では、各系統別に現在の医療動向を概観したあと、上記の対象論と目的論が展開されている。すなわち、各系統別に患者の身体的、心理・社会的特徴を明確にし、看護上の問題とその特質に基づいて、看護の目的と機能が具体的に示されている。第2〜4章では、疾患とその医学的対応という視点から、看護の展開に必要とされる医学的な基礎知識が選択的に示されている。既習知識の統合化と臨床医学の系統的な学習のために、最新の知見に基づいて解説されている。第5章では、上述の1〜4章の学習に基づいて、看護の方法が示されている。すなわち、患者の有する問題と既習の医学的知識をふまえて、各系統の特性に応じて、症状別、診断および治療・処置別、経過別、疾患別に看護の実際が提示されている。すべてを看護過程に基づいて展開し、プロセスを通して全体像が論理的・立体的に理解できるように配慮されている。巻末の付章では、2つの事例を取り上げ、看護過程に基づいて看護の実際が展開されている。疾患だけでなく、患者の有するさまざまな問題が提示されているので、看護の広がりと問題解決のプロセスが具体的に学習できるようになっている。
「BOOKデータベース」より