大同法の施行により出現した官庁指定調達業者=貢人は、17〜19世紀の間、同業組合をつくって物資の調達と納入、その他の官庁御用を務めていた。本書は、韓国における近世経済商業史研究において重要な位置を占める「貢人」をめぐって、従来の研究を丹念に跡づけるとともに、弓角契、馬契、京主人、営主人という具体的な「貢人」の事例分析を通じてその実態を明らかにする。近世御用商人としての彼らの特異な存在形態を浮彫りにしつつ、彼らが利潤を蓄積し、商業資本として成長していく過程を追跡し、さらに朝鮮‐日本‐中国を結ぶ近世東アジア交易史研究にも、朝鮮からの新たな視角を導入する。
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