健康管理が大切であることはわかっていても、人は管理されることを好みません。これからの保健医療従事者の役割は、人々が管理されることから脱却し、自己管理によって健康的な行動をとれるように支援していくことにあると考えられます。特に生きていく上での楽しみの1つである食生活の支援を行う活動こそ、管理的な態度からの転換が求められています。生活習慣病という言葉が定着し、個人の自己責任がいっそう強調されていますが、これらの病気は老化と遺伝の影響も多く受けているのです。私たちは自然の摂理にあくまでも謙虚に、それだからこそ健康増進の取り組みをあらゆる分野にわたってねばり強く進めていく必要があるのでしょう。本書がそれらの活動に携わろうと志している人々の参考になり、子どもから高齢者までの人生を支える健康のさらなる発展につながっていくことを期待しています。
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