本書の特色は、第1に、人の生涯発達全体を人々とのかかわりの発展の視点からみようとしたことにある。第2は、青年期以降の記述を充実させたことである。中年・高齢期などにかかわる発達課題を扱った章およびクオリティ・オブ・ライフのための具体的方向を探った終章は、従来の発達心理学のテキストに欠落していた部分を補ったもので、類書にみられないユニークな個所である。第3は、全体を通して、臨床援助の視点を盛りこんだことである。こうした思いがどれだけ成功したかは、読者の方々の今後の評価に待つほかはない。
「BOOKデータベース」より