今日までのところリレーションシップマーケティングは、企業のターゲット市場の顧客のリテンションしか視野に入れていないが、モノと同様に資源・環境・公害等々への対処についての配慮が必要である。サービスは一面でモノの利用の仕方(ソフト)をサービスの利用者・購入者に提供するわけであるから、その意味ではモノ以上に当事者間で発生するサービスが、それに直接係わりを持たない第三者(地域社会・周辺環境をも含む)への影響は大きいと考えられる。サービスのマーケティングの課題は当面のところ地球という閉じられた世界の中で、人類が自然との共生関係の維持を意識する文化をつくり出すことであり、それは自然とのパートナーシップを保ち、さらなるパートナーシップの形成に努力することである。
「BOOKデータベース」より
本書はサービスの基本的捉え方を、構造・プロセス・および成果の観点から理論的・統合的にまとめ、新しい視角を提供する。次にこの統合的観点と発想に基づき、サービスのマーケティング管理への実務的活用を示唆する。続いて21世紀の新しい産業セクターとして脚光を浴びる非営利組織、NPO・NGOの役割を取り上げ、その地球規模における環境・資源・生態系維持との関わりについてふれる。最後に上記の非営利組織と営利組織の知識と知恵のコラボレーションの必要性とその促進のためにマーケティングを再認識すべきであることを指摘する。なお巻末の補遺は第4章の論述を再検討するため読者の便宜を考え収録した。
「BOOKデータベース」より
博士論文;博士論文
「国立国会図書館デジタルコレクション」より