銅鐸三九個が、神々の棲む出雲・加茂岩倉でみつかった。これら史上最多の弥生時代の祭りのカネ=銅鐸は、果たして出雲でつくったのか、それとも近畿でつくったのか。いつ、誰が、何のために埋めたのか。一三年前に発掘された神庭荒神谷の銅剣三五八本との関連はあるのか。古代出雲には、強大な勢力をもつ「王国」「地域国家」があったのか。本書は、銅鐸研究のオーソリティである二人の考古学者が、発見から現在までのプロセスを追い、銅鐸たちの「すがた」と「かたち」を考究しながらさまざまな観点と論点を提起し、青銅器文化の深層に迫る同時進行ドキュメントである。
「BOOKデータベース」より