ヒューマンゲノム計画は、ヒトをはじめとした各種生物が持つ全遺伝子のカタログと全遺伝子産物(タンパク質およびRNA)のカタログを作り出す。すなわち生命系を構成する部品のカタログは近い将来にほとんど見いだされるだろう。しかしながら、部品がわかっても、部品間のつながり、つまり結線図のようなものが解明されなければ、生命のシステムとしての働きを本質的に理解することはできない。実験的にも理論的にもヒューマンゲノム計画をこのような観点から捕え、本書ではミクロ生物学からマクロ生物学へと、全体を3つの章に分けて構成した。本書はゲノム解析に関する他の図書と比較して、第1にゲノムの機能的な側面に、そして第2に理論的な側面に重点を置いている。
「BOOKデータベース」より