日本の磁石は世界の先頭を走っていた。本多光太郎のKS磁石鋼を皮切りに、三島徳七がMK磁石鋼、増本量らがNKS磁石鋼、渡辺三郎がFW磁石鋼を発明し、加藤与五郎と武井武は世界初のフェライト磁石を発明した。六人の先覚者が次々と新しい磁石を発明し、磁石は日本のお家芸であったが、第二次世界大戦が終わってみると、日本は世界から大きく水を開けられていた。日本の磁石の栄光を回復したのは、鉄・ネオジム・ボロンを巧妙に組み合わせて佐川眞人が発明した希土類化合物磁石である。本書は、わが国の磁石の歴史を主に特許の立場から綴ったものである。
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