欧米列強の東アジア進出という荒波に巻き込まれ、日本が幕藩体制から明治新政府へと国のかたちを変えた時代。外交にこそ、「独立国日本」としての国家の存亡がかかっていた。英国に拒まれ、それでもゼロから外交の術を確立した鮫島尚信や、文化も含めた日本の品位の確立を実現しようと奔走した森有礼。若きふたりを中心に、花房義質や青木周蔵など青年外交官たちが、不平等条約改正と東アジアの平和安定を実現するために、老練な交渉相手と駆引きし、時に社交の舞台を見事に踏む奮闘を描く。外交不在の日本に問う、「はじまりの日本外交」の情熱がここにある。
「BOOKデータベース」より