前著『あいだの空間-精神分析の第三主体』でオグデンが提示した「第三の主体」を含むパラダイムは、実際の精神分析的臨床からみれば何ら奇抜なものではなく、むしろ今日に至る精神分析の発展(それはまた本質への遡及の試みの歴史でもある)が生み出した必然であるように思える。本書『もの想いと解釈』は、前著で示されたパラダイムの上に、「もの想い」を転移‐逆転移の理解に用いる視点をさらに推し進めて、これを精神分析技法のひとつの軸として位置づけ、多くの事例記述を示しながら、倒錯の理解や技法の再考への提言を行っている(訳者解題より)。
「BOOKデータベース」より