本校では大正期から「教育は生きる力を磨き、深めることであらねばならぬ」という「生活教育」の理念を掲げてきました。その理念のもとに、2000年は、「新たな自分を創る子ども」という主題を設定して教育・研究を進めてきました。特に今回の研究から、新たに「くすのき学習」を立ちあげました。これは、本校の生活教育の伝統に根ざす日々の実践の積み重ねのなかから生まれてきた総合的な学習といえます。この学習では、子ども自身が生活を見つめるなかで意識される問題に、学級や多くの人たちとかかわりながら取り組んでいく活動そのものを大切にしています。そこでは、動物とのふれ合いから命の意味を考えたり、地雷で片足を失った人の生き方への感動から地雷撲滅の運動へと発展させたり、隣の養護学校の友だちと交流したりするなど、さまざまな活動が展開されています。本書は、そうした実践を日々迷いながら続けているわたしたちのささやかな報告書です。
「BOOKデータベース」より