「祈り」にはふたつの面があります。ひとつは、自分の願いや思いを神に語りかけることです。個人的な内容のときもあれば、より普遍的なことについてのときもあります。それが聞き遂げられる場合もあるし、そうでない場合もあるでしょう。人はそうやって古代より祈ってきました。しかし、その一方で忘れられがちだったのが、自分を超えた存在の語りかけに耳を傾けるという祈り方です。天の声を聞く!神の言葉を聞くことができる!ということは、奇跡以外の何ものでもないと多くの人が思いこんでいるけれど、実は人は自分の内面において、常に様々な言葉や声を聞いているのです。時にはお喋りをやめ、静けさの中でじっと耳を澄ませてみてください。心の中で真摯に問いかけ、その答えを辛抱強く待つのです。ただ待って、見えない存在の愛を感じつつ-そんな祈り方こそ重要です。そのようにして、著者の心に響いてきたのが、本書の数々の言葉なのです。
「BOOKデータベース」より