「カジノ資本主義」の時代に、膨大な闇経済の部分を抱えるという二重の投機性を持つ韓国経済が、如何にして堅実な市場基盤を持つものに成熟できるかということが、本書が全体として問おうとするところである。表題を『アジアのなかの韓国社会』としたのは、多少「羊頭狗肉」の感があるかもしれない。しかし、韓国の直面している問題は、その多くが他の東アジア・東南アジアに共通する問題であろう。何が韓国固有の問題で、何が東アジアに共通の問題なのかを吟味することも、本書のテーマのひとつであり、実際に本書の内容を見ていただければ、その点は御理解いただけるだろう。
「BOOKデータベース」より