西洋版"養生訓"とも言える本書は、フーフェラントが新進気鋭のイェーナ大学教授であった30歳代なかばに著した一般向けの啓蒙書である。ヨーロッパ近代医学の萌芽期に、真に科学的な健康法・食養生法・衛生法を確立しようとする探究の成果であり、科学史・医学史の歴史的記念碑である。同時にまた、中世以来の迷信・錬金術・占星術の影響の強い一般人に対して、合理精神への転換を呼びかけた思想書であり人生書でもある。医学や薬学を志す人には絶好の医科学入門書であり、老境や死について考える人には知恵の書・癒しの書でもある。
「BOOKデータベース」より