記憶のポリティックス : アメリカ文学における忘却と想起

松本昇, 松本一裕, 行方均 編

19世紀の末、フランスの文献学者エルネスト・ルナンが『国民とは何か?』と題する名高い講演で、「記憶の共同体である前に、国民とは忘却の共同体なのだ」と指摘した。現在アメリカでは、さまざまなマイノリティのグループが自己文化を主張し、アングロ・サクソン中心の大きな国民国家の物語によって隠蔽されてきた記憶を取り戻そうとして、それぞれの小さな物語を語りはじめている。ただし、このような小さな物語も結局はアメリカという大きな物語にとり込まれるのであり、この大きな物語によって輪郭を与えられてきたアメリカという共同体の記憶のポリティックスから逃れることはできないのではないか?もし逃れられるとすれば、どのようにしてそれは可能か?本書ではこのような問いを導きとして、個々の作家がさまざまな姿で顕現する記憶のポリティックスに対して、どのように「同調」、あるいは「対抗」、あるいは「屈服」してきたかについて論考が企てられている。

「BOOKデータベース」より

[目次]

  • 第1部 ナショナル・メモリーの創出(エマソンの「透明な眼球」とメモリー-過去との差異を認識する自己
  • アフリカとアメリカン・ルネッサンスの時代の帝国幻想-ナサニエル・ホーソーン編『アフリカ巡航記』 ほか)
  • 第2部 ナショナル・メモリーに抗して(神なる父-『ピエール』における記憶の変容
  • 越境する記憶-キャザーの「同じ名のひと」 ほか)
  • 第3部 リメモリー、または帰属意識の再構築(救出される過去-『八月の光』、そして「出会いの前夜」にみる原‐記憶の力
  • バーナード・マラマッド『フィクサー』と"記憶再生"の構造 ほか)
  • 第4部 トラウマの影(希望としての忘却-『オーギー・マーチの冒険』における忘却の意味について
  • アメリカン・ホロコースト-ウィリアム・スタイロンの『ソフィーの選択』に見る奴隷捕囚体験記の物語学 ほか)

「BOOKデータベース」より

この本の情報

書名 記憶のポリティックス : アメリカ文学における忘却と想起
著作者等 松本 一裕
松本 昇
行方 均
書名ヨミ キオク ノ ポリティックス : アメリカ ブンガク ニ オケル ボウキャク ト ソウキ
書名別名 Kioku no poritikkusu
出版元 南雲堂フェニックス
刊行年月 2001.10
ページ数 334p
大きさ 20cm
ISBN 4888962553
NCID BA54092673
※クリックでCiNii Booksを表示
全国書誌番号
20218015
※クリックで国立国会図書館サーチを表示
言語 日本語
出版国 日本
この本を: 
このエントリーをはてなブックマークに追加

このページを印刷

外部サイトで検索

この本と繋がる本を検索

ウィキペディアから連想