フランス七月革命後のヨーロッパ国際政治に、会議外交を通じて平和の時代を構築したパーマストン英外相。彼が築き上げた会議外交とは、どのようなものであったのか。それは、どのような背景から生まれ、どのようにして定着していったのか。外交とは何か、平和とは何か。「砲艦外交」として知られる強硬姿勢の半面でパーマストンは、「イギリスには永遠の同盟国もなければ、永遠の敵対国もない」と語りつつ、会議を通じ列強とねばり強く外交交渉を重ねていた。イギリス流自由主義と道徳主義の伝統に裏打ちされた、パーマストン外交の特質を明らかにする。
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