かたり : 物語の文法

坂部恵 著

「歴史学は客観主義、実証主義の過度の呪縛から逃れ、小説の手法を用いながら、具体的な効果を現さなければならない」。この折口信夫の論を受け著者は、虚構-実録の双方根底に"かたり"という共通の基盤を見出した。歴史を伝える上で「(過去を)はなす」のか「かたる」のか、それら馴染み深い言葉の用法を比較しながら、物語を提示する「言語」の位相を考察。その帰結で科学の理論と、物語・詩との間に著しい類似点があることが披露される。カント研究第一人者でありながら、哲学の枠を超え、和洋の垣根なく、領域横断的な発想をもつ著者ならではの縦横無尽な論究。

「BOOKデータベース」より

[目次]

  • 第1章 "かたり"の基底(詩と歴史
  • 人文科学としての"かたり"
  • <かたり>の回路)
  • 第2章 "かたり"の位相(言語行為としての"かたり"
  • "かたり"と"はなし"
  • 垂直の言語行為・水平の言語行為
  • <かたり>と<ふり>
  • <かたり>の位相)
  • 第3章 "かたり"の時間-いまはむかし("むかし"と"いにしへ"
  • "かたり"の時制-H.ヴァインリヒに即して
  • 浮き彫り付与とアオリスト
  • 発話の方向
  • 時制の移行・時制の転移)
  • 第4章 "かたり"と"うた"と人称と(ヤーコブソンの二軸理論
  • 言語の詩的機能と人称の転移
  • 時間の詩的転移としての<かたり>)
  • 第5章 "かたり"と世界-time immemorial(時間とのたわむれ・時間の可逆性
  • 詩と科学そしてアオリスト)

「BOOKデータベース」より

この本の情報

書名 かたり : 物語の文法
著作者等 坂部 恵
書名ヨミ カタリ : モノガタリ ノ ブンポウ
シリーズ名 ちくま学芸文庫
出版元 筑摩書房
刊行年月 2008.2
ページ数 195p
大きさ 15cm
ISBN 978-4-480-09133-8
NCID BA84745470
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全国書誌番号
21383018
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言語 日本語
出版国 日本
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