神代の時代からはじまり、太刀から刀剣に進化して、剣術は武の神様-武甕槌神を祭っている鹿島神宮から発し、約五百年前に松本備前守という天才武士が鹿島神伝直心影流という剣法をまとめあげた。当流は、宗家制度ではなく、流派皆伝、実力主義の道統制度の伝統であり、十五人の実力者達がこの剣を磨きあげ進化させたもので、現在の古武道の剣術の大半はこの剣法から出てきている。剣道の間合、気合、呼吸、手の内、目付は、直心影流の基本形-法定之形に凝縮されている。本書は、近代剣道の原点でもあり、古武道の中心でもあるこの流派について、宗本部が初めてまとめたものである。
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