少女は砂漠の夜に微睡みながら、思っていた。自分が失ったもののことを。本当に大切なもの-歌。歌えるかなあ。わたしにも、もう一度、歌えるのかなぁ…と。少女の名はマルガリータ。あの火乃香というなんでも屋のようにまっすぐに進めればとリータは願った。(「風のままに、歌のままに」)歌うことを忘れた歌姫・マルガリータ。自らの信じる道を進む何でも屋・火乃香。MJという仲間を見つけることができた機械知性体・ジャンヌ。それぞれの日々の営みが、闘いが、風のむこうで力強い鼓動を刻む。いのちの歌を-。ザ・サード短編集。
「BOOKデータベース」より