住空間としての「孵化培養器」。それは人間と空間の関係によって生じた生命体であり、カオスである。人間が空間をつくり、空間もまた、人間をつくる。謂わば、空間は人間と一対になった"生物"であるかのように存在してきたともいえる。この1本は、そうした空間、デザインの本源的なあり方を建築史上の様式、手法から離れて、分子生物学を射程に入れ企図したものである。建築の、あるいは住空間が自らの分野をドラスティックに越境し、そこに新たな表現の場を創造するシリーズ。「孵化培養器」はその第1弾として発進される。
「BOOKデータベース」より