1900年代、秋田県と山口県に図書館を設置するために奮闘し、両県の図書館長として運営に力を注いだ佐野友三郎、幸徳秋水らが明治天皇暗殺計画を企てたというフレームアップで検挙された大逆事件の関係者の地・和歌山県新宮市の図書館長浜畑栄造、東京市立図書館の関東大震災からの復興に尽力した田所糧助、埼玉県立図書館長として「図書館の自由に関する宣言」制定に大きなはたらきを示した韮塚一三郎、大田区立洗足池図書館長として大規模な自由開架閲覧を採用し、『日本の参考図書』の執筆・編集でレファレンスサービスの環境整備に成果を残した森博。この5人の業績に光を当て、公共図書館が市民生活に及ぼした意義と実現した成果を多くの史料をもとに描く。
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