再婚した母のハネムーンを見送りに来た港で、キャロリンは義父から1枚の名刺を渡され、息をのんだ。バーン・スレイターですって?まさか-。「建築家だよ。イザベルに内緒で新しい家を用意したんだ」ハネムーン中に、母への結婚プレゼントにする屋敷の内装をその有名建築家に依頼して、母の好みに仕上げてほしいのだという。こんなことって…彼が私たちの前にまた現れるなんて…。バーンは10年前、母の心を狂わせ、捨てた男なのだ。やっと回復した母に、会わせるわけにはいかない。ところが再会したキャロリンとバーンの視線が絡みあったとき、ふたりは無言のうちに、互いの望むものを理解した。
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