「大阪生まれの沖縄人二世」である著者は、一九九六年、沖縄の那覇に移住する。同年は「沖縄ブーム」の走りの頃にあたり、その後、NHKの連続テレビ小説『ちゅらさん』の影響もあって、二〇〇〇〜〇五年頃をピークに、沖縄は「有史以来」といわれる空前のブームを巻き起こした。一方、その裏側では、九五年に起きた米兵による少女暴行事件をきっかけに、日米地位協定の見直しを含めて反基地運動が高まりをみせる。そして九六年、普天間基地の返還が発表され、辺野古移設へと基地問題が動いていく。この二十年の間に、沖縄で何が起きたのか-。「沖縄ブーム」「沖縄問題」と軌を一にし、変質していく文化や風土などに触れ続けてきた著者が、"遺言"として「中期決算的な自分の心情と素顔の沖縄」を綴る。
「BOOKデータベース」より