本書は、統計力学の専門書として、幅広い近年における研究の成果の中で、多体問題の手法を中心にまとめたものである。第1章では、ギブスの確率集団理論について、古典統計力学と量子統計力学の立場から概説し、経路積分法について説明を加えた。第2章では、量子統計力学における場の理論の方法を用いたいろいろな手法について、相関関数の立場から整理して解説した。第3章は、非平衡統計力学を取り上げ、ボルツマン方程式の説明と、線形応答理論について解説した。第4章は、20世紀後半になって著しい進展を見せた相転移現象を扱う理論について詳説した。なかでも、低次元系の相転移について節を設けて論じた。第5章では、乱れた系に対する統計力学について概説している。
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