大人たち、たった一度の人生、ゆっくりゆっくり歩きませんか。一時いっときをできるだけ小さく刻み、長く長く生きませんか。多くの出会いを楽しみ、多くの美しいものの前では、立ち止まり、多くの優しさには、深くふれ、ゆっくり生きませんか。必ず来る、人生最後のときに、多くの思い出が、美しい思い出が、走馬灯のように思い浮かぶように。私は、今そう生きています。そして、すでに見えてきた死に向かって、幸せに生きています。(『おとなたちへ』)-夜回り先生が、すべての子どもたち、そしてかつて子どもだった人々に向けて綴る、二十九編の「言葉の贈り物」。
「BOOKデータベース」より